保育士になりたいけれど、「自分に向いているのか不安」「子どもは好きだけど仕事として続けていけるか心配」と感じている人も多いはず。ここでは、保育士に向いている人、向いていない人の特徴について紹介します。
保育士は毎日子どもと接する仕事のため、子どもとの触れ合いを楽しめるかどうかは保育士になるうえで大切なポイントです。ただ、保育士は教育に携わる仕事でもあるので、子どもの成長をサポートすることも求められます。子どもの健全な発育を促すためには子どもと楽しく遊ぶだけでなく、ときには叱ることも必要です。
子どもは1人として同じ子はいないため、1人ひとりと向き合いながらその子の成長度合に応じて必要なサポートを考えられる人が保育士に向いています。
保育士になると元気いっぱいの子どもたちと毎日遊びながら、日々の仕事や行事の準備などもこなす必要があるため、体力に自信のある人が重宝されます。また、子どもに風邪などをうつさないように、健康管理への意識の高さも必要です。そのため、健康意識が高くて、体力に自信のある人は保育士に向いていると言えるでしょう。
また、保育士として長く働くために、自分の身体のメンテナンスを定期的に行なうことも大切です。特に腰痛は多くの保育士が悩まされる職業病の1つのため、こまめにストレッチをしたり前かがみの姿勢になるべくならないようにしたり、と腰に負担がかからない対策が求められます。
好奇心旺盛な子どもたちは、小さな発見をするたびに自分の喜びや驚きを共有しようと保育士に伝えにきてくれます。子どもからのアプローチに応えることも保育士の仕事のため、子どもの気持ちを上手く受け取れる感受性が豊かな人は保育士に向いています。
また、子どもたちは少しでも疑問に感じると保育士に尋ねてくることも少なくなく、そのときに子どもの感じる不思議に寄り添って一緒に考えてあげることも、子どもの好奇心を広げるのに必要です。子どもと同じ目線に立って小さな発見や不思議を一緒に楽しめるかどうかも、保育士に向いているかどうかを知るポイントになります。
保育士の仕事では子どものほかに、園長先生や主任、同僚の保育士、保護者、地域の人などとも関わる必要があります。保護者との信頼関係を構築するには、送り迎えのときに挨拶をしたり、連絡帳を通して子どもの園での過ごし方を報告したり、日々の小さなコミュニケーションを積み重ねていくことが大切です。
また、子どもの遊ぶ声やイベント行事の音で近隣住民からクレームが来ることもあるため、大きなトラブルに発展しないように地域住民との交流も求められます。幅広い年齢層の人と関わっていく必要があるので、人とコミュニケーションを取るのが好き、または苦にならない人は保育士に向いています。
保育士は子どもたちの命を預かる仕事のため、小さなことにもすぐに気がつく観察力が求められます。子どもの体調の変化、子ども同士のケンカやいじめといったトラブルなど、察知するためには観察力が必要です。素早く気がつくことで大ごとになる前に対策を講じられるため、子どもの行動を観察するのが好きな人や細かいことによく気がつく人は保育士に向いています。
子どもは大人が考えつかない突拍子な行動を取ることもあるため、保育士には状況に応じた臨機応変な対応が求められます。また、保護者からの突然の要望も保育士の仕事にはつきものなので、予定外の業務にも対応できる柔軟性が必要です。
そのほかにも、保育士の仕事をしていると子どもとの向き合い方に悩んだり、保育士同士で揉めたりすることもあるでしょう。そのときにネガティブな気持ちが表情に出てしまうと感受性豊かな子どもたちに伝染することもあるため、子どもと接するときは前向きな気持ちに切り替えられる人も保育士に向いています。
保育士に向いていない人の特徴としては、「自分から積極的に行動できない」「潔癖症」「臨機応変な対応ができない」「体力に自信がない」などがあげられます。ただ、保育士に向いていないと仕事が長続きしないかというと、そういうわけでもありません。
東京都福祉保健局が行なった「平成30年度東京都保育士実態調査」(※)によると、保育士があげる退職理由の上位は「職場の人間関係」「仕事量が多い」「給料が安い」など。どれも保育士の適性とは関係ないため、保育士に向いている人の特徴に該当しないからと諦める必要はありません。
保育士に向いている人の特徴を見て、自分には保育士の適性はないと感じた人もいるかもしれません。しかし、自分に不足しているスキルや能力を補うにはどうすればいいのか考え、実践することで、保育士としての適性は次第に身につけられます。
たとえば体力に自信のない人なら軽いウォーキングから始めて体力づくりに取り組んだり、コミュニケーションが苦手な人は意識的に周囲の人に挨拶などをしたりして、コミュニケーションに慣れていくと良いでしょう。
保育士に向いているかどうかは今の自分ではなく、これからの自分にかかっています。保育士の夢を叶えるためにも、まずは自分のできる範囲から実践してみてはいかがでしょうか。
※選定基準:
愛知県で保育士資格、幼稚園教諭・小学校教諭免許のいずれかの取得を目指せる大学のうち、保育士資格・幼稚園教諭・小学校教諭の同時取得も可能な大学の中から、以下の基準に沿ってピックアップしています。(2022年3月調査時点)
・名古屋芸術大学…資格取得+αの力をつけられるコースの数が最も多い大学(7コース)
・桜花学園大学…最新の実績で、公立園および公立小学校(特別支援含む)の就職人数を明示していて最も多い大学(2020年度 計64名)
・椙山女学園大学…SSK(名古屋の女子大御三家)のうち、偏差値が最も高い大学(教育学部保育・初等教育専修の偏差値…50.0~52.5※)
※参照元:スタディサプリ(https://shingakunet.com/gakko/SC000150/nanido/)