小学校に入学する前の子どもを預かるという点では、保育士も幼稚園教諭も同じですが、必要な資格や保育の目的、スケジュールなどには違いがあります。
制度や目的、キャリアや給料などをポイントとして保育士と幼稚園教諭の違いについて紹介します。
原則として、保育園は8時間、幼稚園は4時間開園することが決められているため、降園時間に大きな違いがあります。
自由遊びやクラス活動などは同様に行われますが、幼稚園では教育的な観点でプログラムが組まれることも。幼稚園は事務作業、行事の準備に時間が確保しやすいことも特徴のひとつです。
保育園では、延長保育や一時保育、病児保育などに対応することでさらにスケジュール管理が厳しくなることもあります。
保育士の場合は、乳児保育や食育・アレルギーなど、8分野でキャリアアップ研修を受けることができ、修了すると職務分野別リーダー、副主任・専門リーダー、主任、園長の順でキャリアアップが可能です。
一方、幼稚園教諭の場合は、特別支援教育や小学校との接続など、9分野のキャリアアップ研修があり、指導教諭や主観教諭、副園長・教頭、園長の順にキャリアアップができます。
「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査(内閣府 2019年度)」によると一人当たりの賞与込の常勤保育士・幼稚園教諭の給料は以下のとおりです。
公立幼稚園教諭の平均勤続年数がやや高かったため、公立幼稚園教諭の給与が若干高くなっていますが、それを除いては保育園、幼稚園の給料にそれほど大きな差はありません。
0歳~就学全までの子どもたちの健やかな成長を見守ることができ、乳児の保育ができるのも保育士ならではです。
幅広い年齢の子どもに触れ合うことができるため、実践的な保育の知識やスキルが身につき、将来のスキルアップにも役立つでしょう。
また、児童養護施設や放課後等デイサービスなど、さまざまな児童福祉施設の職員、ベビーシッターとして働くこともできます。
文部科学省「幼稚園学習指導要領」に基づき、子どもたちに教育的な指導を行うことができます。運動や学習、音楽活動など、子どもの主体性を重視した教育カリキュラムを立てることも可能。
子どもと関わる時間は保育士よりも短く、夏休みや冬休みなどの長期休暇が取りやすいことも魅力です。学校と同様に主観教諭や教頭などを目指すこともできます。
保育士と幼稚園教諭では、対象年齢やスケジュール、勤務先の種類などに違いがあります。
最近では、保育園と幼稚園の良さを兼ね備えた認定こども園も普及しており、可能であれば保育士、幼稚園教諭両方の資格・免許を取得しておいた方がいいでしょう。
保育士資格や幼稚園教諭免許を取得できる大学の中には、小学校教諭免許の取得にも対応しているところもあり、さらにスキルアップや就職先の選択肢の幅を広げることが可能です。
※選定基準:
愛知県で保育士資格、幼稚園教諭・小学校教諭免許のいずれかの取得を目指せる大学のうち、保育士資格・幼稚園教諭・小学校教諭の同時取得も可能な大学の中から、以下の基準に沿ってピックアップしています。(2022年3月調査時点)
・名古屋芸術大学…資格取得+αの力をつけられるコースの数が最も多い大学(7コース)
・桜花学園大学…最新の実績で、公立園および公立小学校(特別支援含む)の就職人数を明示していて最も多い大学(2020年度 計64名)
・椙山女学園大学…SSK(名古屋の女子大御三家)のうち、偏差値が最も高い大学(教育学部保育・初等教育専修の偏差値…50.0~52.5※)
※参照元:スタディサプリ(https://shingakunet.com/gakko/SC000150/nanido/)