保育士の資格を活かせる職場の選択肢の1つとして「乳児院」があげられます。
乳児院とは、さまざまな事情で保護者の養育を受けられない乳児を預かる施設のこと。ここでは、乳児院で働く場合の仕事内容や給料、仕事の大変さ、やりがいについて紹介します。
乳児院で働く保育士の主な仕事は、おむつ替えやミルクの介助などといった生活全般のサポートです。
基本的な仕事内容は保育園とあまり変わりませんが、乳児院では本来なら家庭で行なわれるしつけやマナーなども保育士が保護者に代わって担当します。また、看護師や医師、保健師、栄養士など、さまざまな専門家と連携しながら総合的なサポートに取り組めるのも、乳児院ならではの特徴です。
子どもが親元に戻ったとき、保護者が適切な育児を再開できるように働きかけるのも、乳児院で働く保育士の仕事です。そのため、子どもが退所した後も、保護者と連絡を取りながらフォローする場合もあります。
子どもが親元ではなく里親に引き取られる場合は、里親家庭へのフォローも実施。子どもの育ちのバトンを次の養育者へとつなぐことも、乳児院で働く保育士の重要な役割です。
退所した子どもが安定した生活を送れるように、家庭や里親、児童養護施設との面談で情報共有を行ない、適切な退所時期や退所後の生活について検討していきます。必要に応じて各家庭や関係機関と連携して相談やアドバイスなどを行ないながら、子どもが安心して過ごせる環境を整えることも保育士の仕事です。
乳児院で働く保育士のお給料の平均は、月収22~24万円程度です。保育施設で働く保育士と同じ、またはやや高いぐらいのお給料になります。
ただし、乳児院は国や自治体、社会福祉法人などが運営しているケースが多く、施設によっては賞与が4ヶ月分以上、年間休日120日以上、家賃補助など待遇が充実しているのが特徴。また、賞与や福利厚生についても安定している傾向にあるため、一般的な保育士と比べて手厚い待遇や福利厚生を期待できます。
乳児院で働く保育士は、子どもの養育のほかに、保護者への働きかけや退所後のアフターケアなどの仕事もこなさなければならず、責任も重大です。さらに乳児院には精神的な傷や病気・障害などさまざまな事情を抱える子どもが多いため、精神的な負担もかなり大きくなります。
また、24時間体制での勤務なので夜勤や休日勤務を求められることもあり、保育園以上に子どもたちや保護者に対する責任感・精神力・体力が必要となる仕事です。
乳児院にはさまざまな事情を抱える子が多く、1人ひとりの子どもに対して手厚い対応が必要になってきます。子どもたちや保護者と深く関わる機会が多いため、保育士の資格を活かして社会貢献や人助けがしたいという人にとってはやりがいの大きな仕事と言えるでしょう。
また、自分のサポートを通じて子どもが笑顔を見せてくれるようになったり、子どもが安心して過ごせる環境への橋渡しになったりすることで、達成感を味わうこともできます。
乳児院は、さまざまな事情から親元で養育を受けられない子どもたちが生活する場です。そこで保育士として働くとなると、大きな責任や精神的な負担が伴うため、ハードな職場と言えるでしょう。ただし、保育士の資格を生かして子どものサポートがしたい、社会貢献がしたいという人にとっては、やりがいの大きな仕事でもあります。
また、医師や看護師、栄養士、心理士などの専門家と連携しながら仕事に取り組むため、保育園とはまた違った経験を積むことができます。生半可な気持ちで務まる仕事ではありませんが、保育士としての活躍の幅を広げたい場合は、乳児院での働き方も検討してみてはいかがでしょうか。
※選定基準:
愛知県で保育士資格、幼稚園教諭・小学校教諭免許のいずれかの取得を目指せる大学のうち、保育士資格・幼稚園教諭・小学校教諭の同時取得も可能な大学の中から、以下の基準に沿ってピックアップしています。(2022年3月調査時点)
・名古屋芸術大学…資格取得+αの力をつけられるコースの数が最も多い大学(7コース)
・桜花学園大学…最新の実績で、公立園および公立小学校(特別支援含む)の就職人数を明示していて最も多い大学(2020年度 計64名)
・椙山女学園大学…SSK(名古屋の女子大御三家)のうち、偏差値が最も高い大学(教育学部保育・初等教育専修の偏差値…50.0~52.5※)
※参照元:スタディサプリ(https://shingakunet.com/gakko/SC000150/nanido/)