病児保育士として働く

保育士の資格を活かせる仕事の1つに、病児保育士があります。

病児保育士とは、病気または病後の子どもを一時的に預かる仕事です。ここでは、病児保育士の仕事内容をはじめ、働く場所の種類やお給料、大変なところ、やりがいなどを紹介します。

病児保育士の仕事内容

病児保育士の仕事は、病気または病後で登園できない子どもの保育です。医療従事者ではないので、病児保育士が医療行為を行なうことは基本的にありません。ただし、保育の過程で検温や服薬介助などを求められたり、体調の変化に応じて看護師や医師へ連絡したり、病院へ連れて行ったりすることがあります。

また、保護者への細やかな対応も病児保育士の重要な仕事です。体調が悪い子どもを安心して預けてもらえるように、当日の子どもの体調や様子などを保護者に報告する必要があります。

病児保育士が働く場所

施設型

施設型の病児保育は、病院や診療所などの医療機関や保育園などに併設されていることが多く、病児保育のための専用スペースで病児や病後児を一時的に預かります。また、医師や看護師と連携しながら保育にあたるのも、施設型の特徴です。

保育する子どもの顔ぶれや人数は日によって変わり、受け入れ人数は施設の規模によって異なりますが3～10人程度。子ども3人につき保育士を1人以上配置すると決められているため、少人数制での保育が行なわれています。

非施設型（訪問タイプ）

非施設型の病児保育では、依頼されたお宅に訪問して病児を保育します。非施設型の病児保育で働くには、訪問タイプの病児保育を専門とする法人に勤務するか、ベビーシッターの派遣会社など病児保育のサービスを提供しているところに登録するといった方法があります。

施設型と違って医師や看護師がそばにいないため、子どもの状態をよく観察し、体調の急変などへの適切な対応が必要です。また、病院への付き添いを行なうこともあります。

病児保育士のお給料

病児保育士のお給料は月収約20万円の施設が多く、一般的な保育士の月収と大きな差はありません。医療機関に併設されている施設の場合、病院の規模や地域によってお給料が高くなる傾向にあるようです。

また、保育士としての経験やスキル、勤務する施設、雇用形態によっても、お給料が変わってきます。病児保育に関する資格の有無でもお給料の金額が変わってくるため、病児保育士の求人を探す際は資格や待遇についてもしっかりと確認しておくと良いでしょう。

病児保育士の大変なところ

病児保育士として働くには、一般的な保育知識のほかに医療知識も必要です。1人ひとり病状が異なる子どもを保育することになるため、臨機応変な対応力も求められます。また、医師や看護師など他職種とのやり取りも必要になるので、保護者への対応とはまた違ったコミュニケーションに大変さを感じることもあるでしょう。

そのほかにも、病児保育という性質から預かる子どもの数にバラつきがあったり、正社員の雇用が少なかったり、とお給料や雇用形態の面でデメリットになる場合もあります。

病児保育士のやりがい

病児保育は少人数保育が基本のため、子どもたち1人ひとりとゆっくり関われるのが主なメリット。また、病気や病後で登園できない子どもを預かるので、保護者から感謝される機会が多いのもやりがいを感じられるポイントです。

子どもの顔ぶれも変わるため、変化を好む人やさまざまな子どもと関わって保育士としての経験を積みたい人に向いています。

また、病児保育は一般的な保育園と違って外での活動がなく、年齢を重ねて体力に自信のなくなった保育士でも無理なく働くことが可能。また、運動会や発表会といった大きな行事もないため、準備のための持ち帰り仕事や残業が少なく、プライベートも大切にした働き方を叶えられます。

まとめ

病児保育士は病気や病後の子どもを預かるという責任の大きな仕事ですが、保育士としての成長につながる経験を積みたい人にとっては魅力的な環境が整っています。保育士資格があれば病児保育士として働くことはできますが、就職・転職を有利に進めるなら病児保育に関する民間資格の取得を目指すのもおすすめです。

また、病児保育士は業務の負担が少ないため、保育士として長く活躍したい人にも向いています。一般的な保育園とはまた違った子どもとの関わり方を探している人は、病児保育士としての働き方を検討してみてはいかがでしょうか。